ほんわり*ふぁ
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個体差としつけ
ミックスの子犬は、「どんな子に育つかわからないから・・・」っとよく言われる。
でも、しつけ教室をしていると、どの犬も、個体差が大きい。

おっとりしたラブと、しゃかしゃかしたハイパーなラブ。
キャンキャンうるさく、元気いっぱいな、ミニチュアダックスと、大人しく飼い主の後ろでちっちゃくなっているミニチュアダックス。
ちっともじっとしていなくて、垂直とびを繰り返している、ジャックラッセルと、静かに悠然としてるジャックラッセル。
ものすごく神経質なシェパードと、ゆったりしているシェパード。
・・・・書き出すとキリがない・・・・。

そういった子達の多くは、性格だけじゃなく、マズルや体格や、容姿も全然違うことが多い。。

そんな子達を、犬種名だけで、ペットショップやネットで安易に購入するのだから、
まさに、「どんな子に育つかわからないから・・・」状態だ。
ミックスの子を否定した意味はどこにあるものだか・・・。

しかも、おしなべたように、「犬はしつけ次第」という。
しつけを否定するつもりは、毛頭ない。

でも、おっとりしたラブは、しゃかしゃかハイパー犬には育たない。
しつけ教室で見る個体差は、そのほとんどが、しつけに由来したものではない。
もともと、その子自身がもってきたものだ。

狼犬、ブルテリア、E・コッカ・・・・難しいといわれている犬種や、問題行動が話題になった犬種のブリーダーサイトを見ると、どこにいっても、「厳しいしつけが大切です。」と書いてあります。
狼犬に対する議論などを見ても、結論が、「要は飼い主次第」ということで、一件落着、おしまいだったりする。

そういうブリーダーさんのサイトで、遺伝性疾患のチェックについてや、スタンダードについて、そして、その子の血統のラインのことや、それぞれの性格についてなどが、きちんと掲載されているサイトは、ほとんどない。。。

深刻な問題行動に悩んでいる飼い主が、ブリーダーに相談しても、「あなたが、子犬の時に、きちんとしつけをしなかったから」と言われるそうだ。

逆に、そういった難しいだろうと想像される犬種を飼う方も、「子犬の頃からきちんとしつけさえすれば、大丈夫」と考えられてる方が少なくないようです。

しかし、Karen L.Overallは、「動物行動医学」の中で、
「管理法の失宜を行動異常の主原因とするのは許しがたく、かつ無責任である。」
とはっきりと書かれています。

純犬種のブリーディングは、現在のような、「どんな子に育つかわからないから・・・」では、いけないと思います。
何のための、純犬種の育成なのか、「こんな犬にしたい」その目的をもった繁殖をするべきだし、その目的に見合った飼い主が飼うべきだと思います。

ブリーダーは、飼い主が抱えている、様々な犬の心身についての悩みについて、「あなたがいけない」とはねのけてはいけないと思います。一緒に抱えあうべきです。

ある犬を飼いたいと思ったとき、「難しい犬種だけど、訓練士に頼めば」「仕事を抱えているけれど、しつけ教室に通えば」と、最初から、安易な逃げ場所を作って、決めることはしないで欲しいと思います。
この子なら、自分自身に、自分のライフワークに、ぴったりだと思う犬を選んであげた上で、必要なら、しつけ教室にいったり、プロに相談したりしながら、飼うべきだと思います。
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by phacelia | 2005-03-12 10:28 | 犬 まじめに・・