ほんわり*ふぁ
phacelia.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
良い血統??良いブリーダー???
JKC発行の家庭犬3月号にて、JAHD代表の影山先生が書かれた、「犬の遺伝性疾患について考える」という記事が3ページをさいて載せられていました。

股関節形成不全(CHD)、肘関節形成不全(ED)、膝蓋骨脱臼(PL)について、リスクのある犬種が列記されていました。
ブリーダーが検査結果の情報をもとに、その犬種のために、その犬種を改良すると同時に、遺伝性疾患を減少させることが可能になることをも目的としていると書かれてありました。

JKCの会報にこんな記事が掲載されるなんて、日本の犬の将来は、暗いばかりではないかもと、とてもうれしく思いました。
今回は影山先生の記載ということもあり、関節疾患に関することに限られていましたけれど、眼疾患、心疾患、脳神経、血液の病気、きっとガンに至るまで、遺伝性疾患は、犬の全身を冒していると考えられ、幅広く取り上げられて、慎重なブリーディングに対する意識が、広がっていくことを願ってやみません。

一般の飼い主さんは、「良いブリーダーさん」「良い血統」という名誉をすぐに与えてしまうように思うのですが、それはどうしてなのでしょうか。

繁殖を考えられている方に、遺伝性疾患のリスクを伝えても、「家の子は、良い血統だから」と耳を貸しては下さいません。
一つも、検査をしたこともなく、母犬、父犬の検査の確認もされたこともないのに、「良い血統」という確信は、どこから生まれたのでしょうか。

別の繁殖を考えられている飼い主さんは、ブリーダーから種犬を預かってきていて、その子の「種犬代も、子返しもいらない」といわれたのだそうです。・・・・だから「親切で良いブリーダー」だと・・・。
良いブリーダーなら、自分の所に残すこともない繁殖は、安易に行ったりしないでしょうに・・・。

ある方は、とても難しい、作為的なミックス犬を繁殖しているブリーダーさんを、慎重に行っている良いブリーダーさんだから安心といわれます。
その方は、小型犬から大型犬まで、脈絡のない幾つもの犬種をブリーディングしています。
ミックスというのは、遺伝がどのような形で出るのか見えにくい繁殖です。
純犬種でも、ブリーディングを「慎重に行う」のであれば、多犬種を手がけられるものではありません。。

日本の犬の繁殖は、乱れていて、遺伝性疾患も、性格的な問題も、スタンダードから外れた犬も、溢れかえっているのに、良い血統、良いブリーダー・・・この名誉もまた、なんでこんなに、ちまたに溢れかえっているのでしょうか。

せめて、前書きをつけて欲しいものです。「ショードッグとして」よい血統とか、「お人柄が」よいブリーダーとか・・・。

良い血統、良いブリーダー、この言葉に対して、定義づけが行われ、正当に使われるような社会になればいいなっと思います。
そして、本当の意味で、「良いブリーダー」という名誉が与えられるにふさわしい方が、育ちやすい社会になりますように・・・。
良い血統??良いブリーダー???_c0031288_942343.jpg

by phacelia | 2005-03-12 09:43 | 犬 まじめに・・