ほんわり*ふぁ
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犬を絞めあげること
先日のミニアジ大会は、蒸し暑かったですし、時間も長かったのです。
熱心な方達ばかりなので、1頭で、何走も走らせている方もいました。
最後の決勝戦の頃には、飼い主もへろへろになってきていましたけれど、それは、犬も同じだったと思います。
集中が切れて、失敗する子も増えていました。

失敗したことで、怒られてしまっていた犬もいました。
キャンディちゃんのママは、とっても穏やかで優しい方なので、犬が怒られている姿を見て、「辛い」っと言われていました。

犬にとって、飼い主の指示は絶対でなければいけませんよね。
オイデっと指示して、来るときと来ないときがあっては、大変なことにもなってしまいますもの。

ですから、コマンドに従えないときは、叱る・・注意を与えられてしまうことになるのかもしれません。

でも、その前に、当たり前のことですが、

「従えない指示は出してはいけない」

のです。
オイデをきちんと教えていないのなら、オイデができないのが当たり前ですものね。

犬に指示をする私達は、自分の我侭を押し付けてはいけないのです。
犬の集中力は長くありません。
若かったり、犬種や、性格によっては、余計に短くなるし、その場の雰囲気も、集中力に影響を与えてしまいます。

今の状況で、自分の犬ができることを判断して、その中で犬をコントロールしてあげなければいけないのだと思います。

特にアジリティのようなスポーツは遊びなんですから、楽しんで犬が積極的にこなす雰囲気を作ってあげて、前向きな行動を誘導してあげなければいけないのだと思います。

私は、このことに、少し、悩んでいました。

ぼのっちが、秋が瀬の大会で、度々、暴走してしまうことが続いたとき、知人から
「こういうのは、クセになるから、しっかり絞めておかないとだめだよ」
と言われました。
私も、そうなのかもしれないっと悩みました。
アジリティではなく、会場で爆走することに楽しみを覚えてしまって、その学習を繰り返したりしたら、修正が大変になると思いました。
その楽しみ方は、間違っていると、がつんっとしておかないと、だめなのかもっと思ったりもしました。

大会は、一発勝負ですから、その前にケージに入れておいたり、出して場に慣らしたり、どうしたら、少しでも良い状況になれるのか、なんて悩んだりもしました。
先生に相談したら、「そういう問題じゃないから」と言われて、それは私もわかっているのだけど・・・っと悪あがきを考えてしまうのです。

「クセになる」というのは、そういうことではないのだと思います。

絞めたって、又、同じことになる可能性も高いと思います。

絞めたことで、爆走しなくなったとしても、それは、いけなかったと学習し、正しい行動に修正したからではないと思います。
ただ、怖さや不快感が、その時の興奮やテンションを落としただけだと思います。

クセになっているように見えるのは、

場に対しての慣れ
興奮をコントロールできるだけの、トレーニングの積み重ね
どんな状況でも、飼い主の指示に従えるだけの関係
アジリティに対しての関心の強さ・・・
判断力をのばすこと

・・・・そういったことのいずれかや、複数の問題を抱えていて、解決していないから、「クセになっている」だけなのだと思います。

そして、その理由のどれもが、絞められたからと言って、解決できる問題ではないのです。
一発勝負で、できる限りのことができるためには、結局は、日々の積み重ねがあってこそ、物言えるのだと思います。

もちろん、なあなあにしていくことが1番いけないことです。
NOのことをNOと伝える、犬が理解することは、大切なことです。
飼い主のNOに、「へへん!」と反抗したり、鼻で笑ったりしてはいけないです。
そんな伝わっていないNOは意味がないので、場合によっては、関係を修繕するためにガツン?っというか、しっかり向き合いなおす時間が大切になるのではとも思います。

ただ、ぼのっちの暴走は、そんな問題ではないということなんです。

コースが高度になって複雑になればなるほど、自身の興奮を上手くコントロールして、次の動きを、飼い主を見て、その先の障害までを見て、考える力と余裕をもてるように、伸ばしてあげないといけません。

私は、フリースタイルの練習会で、クリッカーを学んで、犬の考える力が伸びているように感じています。
クリッカーは、叱ったり絞めたりなんてしません。
ただ、正しいことを、タイミングよく、「それが」っということを音で知らせるだけです。

一般的なことなら、道具なんてなくても十分に教えてあげることができるのですが、遠隔で、遠くのものにさわることや、離れたポールを廻ること、とても細かい動きを固定させていくこと・・・そんなタイミングを求めることに対して、クリッカーは、とっても便利だと思います。

いつも横で、チョークがガツンとくることで、ヒールを学ぶより、自分で考えた行動に対し、その行動シェービンク゜で、より状況に応じた動きを学んでいくことのほうが、おなじことをしていても、その犬の脳の活動が全然違うと思います。

犬とヒトは、幼態成熟で、大人になっても好奇心をなくさないのだそうです。
犬もヒトも楽しく・・・っというのは、犬にとって褒められるから、ごちそうがもらえるから、だけではなく、むしろ、脳のヒダを増やせる・・・好奇心への満足が得られる、新しいことへの学習と達成がある・・・っということではないでしょうか。

今はまだ、何も形になっていませんが、熟睡していても、クリッカーの音に飛び起きて、ルンルンでやってくるふぁーを見ていると、学習を楽しんでいるのを感じます。

それは、絞めて制御して教えていくのと、違う、制御でなくて、「伸ばしている」のを感じられることで、やりがいを感じています。
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by phacelia | 2008-07-02 03:35 | 犬 行動・しつけ