ほんわり*ふぁ
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知るっということ
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リュウママから、美しいお花を頂きました。
つい、昨日まで一緒にいたのに、気づけば、亡くなったときに頂いたお花たちは、もう痛んできてましたので、本当にうれしいです。
くま子、こんなに長い間、綺麗になお花に囲まれて、よかったね。

リュウママは、DearRyuを更新なさいました。
改めて読んで、色んなことを思いました。そして、この文章を残してくださったことに、感謝の気持ちでいっぱいになっております。

ある獣医師のブログに、脳腫瘍の疑いのある犬がいるけれど、検査も何もできないので、死ぬまで何とかするしかないって書いてありました。
知るための検査にも、色んなリスクがある場合があります。
MRIやCT検査は、
★ 検査設備のある病院が限られている
★ 検査に麻酔が必要になる
★ 多額の費用がかかる
などのリスクがあります。
また脳腫瘍などの場合、検査してわかっても、治療ができないケースも多いと思います。

ですから、知人の犬のかかりつけの獣医師は、
「検査をしてもしなくても、結果は同じでしかないので、意味がない」
と言われたそうです。
確かに、そうなのかもしれません。

サンクが、顔面麻痺から元気喪失、食欲不振で、ぐったりしてしまったとき、私は、かかりつけの先生から、MRIでの検査を薦められて、受けました。

その際、かかりつけの先生は、大学の先生に「治療、ケアに積極的で、原因の追究を希望している」飼い主であると伝えられていました。
検査をして下さった大学の先生に、再度、「検査を希望なさいますか?」と確認を受けました。

私は、あのとき検査にとまどいはなかったけれど、その後、「脳腫瘍だとわかったらどうしたというのだろう」と考えてしまった時期がありました。
でも、今は、確信をもって、「やっぱり検査をしてよかった」と言えます。

リュウちゃんの場合、MRIの検査を受けていなかったら、股関節の疾患を疑われ、手術をしていたかもしれませんし、全く違う治療での投薬も受けていたことでしょう。
ですから、「正しい、治療の選択」という点でも、とっても大事な検査でした。

それでも、今まで通われていた獣医師に、「知らなくてもいいことを知ってしまいましたね。」っと言われたそうです。

この「知らなくていいこと」について、私は、考えてしまいます。

ガンには、知ったからといって、効果のある治療が確立されていないガンがたくさんあって、どちらにしても、助けられない病気がたくさんあります。
だからといって、「どうせ死ぬ病気なんだから、知らなくても知っても同じ」でしょうか。

口内炎だと思っていたのと、メラノーマだと知っていたこと、てんかんだと思っていたことと脳腫瘍だと知っていたこと、ただの腹痛や風邪かしらと思っていたことと、難しい病気を知っていたことは、一緒ではないと思うのです。

くま子にたくさんの治療をしてきて、手術をしたり、投薬したりしてきました。
結局は、その治療も、そしてくま子との長い一生の全てが、「如何に生き、如何に死ぬ」かのヒトコマでしかないんだと思います。

手術が、「今死なせられない」ために大事だったように、「この子にとって、無用に苦しめることなく最期を迎える」ためにも、知っていることが、とっても大事でした。

発作が再度起きたとき、事情がわかっていなければ、また、体調の悪いくま子を病院に担ぎ込んだかもしれません。
とりあえずの、体調保持のための、点滴を受け、入院中に死を迎えていたかもしれません。
知っていたからこそ、今、この子を動かす状況でないことも、点滴でフォローできることでもないことがわかっていました。

ベルママも、先生も飼い主もお互いが、ベルちゃんの状態を理解しているからこそ、抗がん剤をチョイスし、再燃したあとでの選択をし、抗がん剤を打ち切ることを選択できたのだと思います。

もし、難しい病気で難しい状況であることを理解してなかったら、主人も仕事に出ていたことでしょう。

その前に、状況がわかっていなければ、食欲のないくま子に、効果があるからといって、無理やりサプリをたくさん飲ませ続けていたかもしれないし、食べてくれていたら、面倒に思ってフードをざらっとあげてしまっていた日もあったかも知れません。

「如何に治療するか」ということ以上に、「如何に死ぬか」も、そのときのその子にとっても、家族にとっても、大事なことだと思うので、そのためにも、「知らないでいいことを知った」なんてことは、決してないと思います。

費用も、私にとっては、手術や治療にかかった、たくさんの費用と同じだけ、サンクのMRIの費用も無意味ではなかったです。

麻酔のリスク、設備のある病院の少ないことのリスク、費用面、いろんな面で、リスクがありますが、メリットもちゃんとあると思います。
そのリスク、メリットの中で、決めるのは、廻りでも、獣医師でもなく、やっぱり飼い主さんなのではと思いました。
by phacelia | 2005-05-20 23:43 | 犬 病気のこと